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【電波的な彼女】片山憲太郎作品【紅】 5冊目 (771)

1 名無しさん@自治スレで設定変更議論中 2011/06/17(金) 14:46:24.70 ID:H74FFvWz
我が身はあなたの領土。我が心はあなたの奴隷。
ここは片山憲太郎氏の著作についてのエロパロスレです。
 
■過去スレ
【電波的な彼女】片山憲太郎作品【紅】
エロパロ (BBSPINK)
【電波的な彼女】片山憲太郎作品【紅】 2冊目
エロパロ (BBSPINK)
【電波的な彼女】片山憲太郎作品【紅】 3冊目
エロパロ (BBSPINK)
【電波的な彼女】片山憲太郎作品【紅】 4冊目
エロパロ (BBSPINK)

■保管庫
http://www35.atwiki.jp/katayama/

601 名無しさん@ピンキー 2016/09/11(日) 18:58:11.08 ID:blNrGfPv
全ては編集共が醜悪だから

602 名無しさん@ピンキー 2016/09/14(水) 06:10:09.97 ID:LtSaVDxl
age

603 名無しさん@ピンキー 2016/10/21(金) 23:48:09.81 ID:X3kHExaA
rodでさえ出たのに

604 名無しさん@ピンキー 2016/10/25(火) 22:27:14.45 ID:HyeWxnIc
みんなどうしたんだよ?ここはエロパロスレなんだろ?もっと弾けようぜ?

605 名無しさん@ピンキー 2016/10/26(水) 13:39:18.97 ID:lJq2OAkr
原作が出ないからだろ!あげ

606 名無しさん@ピンキー 2016/10/26(水) 23:15:23.04 ID:gJgv6h30
 これは、真九郎以外の五月雨荘の住人が所用で出払っている時のお話。
 環は空手の全国大会の出場者として、闇絵は旅に、紫は九鳳院での職務を
全うするために日本各地へと飛び立っていた。

「真九郎さん。真九郎さん」

 肌寒い秋の朝、真九郎の耳に優しい声が雨のようにしみこむ。

「もう、仕方がないんだから」

 ほほえみを浮かべた崩月夕乃は、未だに眠りこける世界で一番大切な
弟分の布団の中に躊躇いもなく、その身体を滑り込ませる。
 現在六時二十分。真九郎の起床時間は午前七時ジャストである。
 
「よいしょっと...」

 自分とは逆の方向に寝返りを打とうとした真九郎の身体をころりと
自分の向きへと転がし直した夕乃は、自分の胸を押さえ込む窮屈な
制服のボタンを全て空け、その柔らかな胸に真九郎の頭を抱え込んだ。

607 名無しさん@ピンキー 2016/10/26(水) 23:16:01.76 ID:gJgv6h30
「真九郎さん真九郎さん。ああ、真九郎さん」

 そう、真九郎の命は勿論だが、自分が真九郎を想う気持ちに歯止めがかけられない。
 真九郎の全てが愛おしく、夕乃の全てを知ったその上で自分と一生を添い遂げて欲しい。
 鉄火場を潜り抜ける度に凜々しく、激しさを増す少年の輝きに夕乃は既に骨抜き、
いや、メロメロになっていた。

「んー...なんだ、これ?」 

 強く抱きしめた頭の圧迫感に違和感を覚えた真九郎が目を覚ましかける。
 無論、自分の許可なく起きるなんてことを夕乃が許すわけもなく...
 
「んっ...はむっ...ちゅっ」

 さも当然のように真九郎の唇を普通に貪り始めたのだった。

「ん〜...すぅ...ん、むっ...すう〜」

「ちゅうぅうっ...ぷはぁっ、ちゅるるっ...」

608 名無しさん@ピンキー 2016/10/26(水) 23:16:29.58 ID:gJgv6h30
 ぴゅっ、ぴゅっ。
 パジャマにじわりと滲む、粘り気のある染みは徐々に大きく広がり始めた。
 布団の中にたちまち立ちこめる青臭い臭いの正体は言うまでもない。

 女の子のように喘いだ真九郎は射精の快楽に抗えず、遂には夕乃の前で今まで
処理しきれなかった白い欲望を、無意識のうちに吐き出し始めた。

「んんっ...あっ...ああ...ふぁあ...///」
 
「イッっちゃったんだ...」

 女のように喘ぎ、腰がかくかくと震える真九郎の痴態はこの上なく夕乃の
性欲に火をつけてしまう魅力を放っていた。
 理性に歯止めが効かなくなる状態に陥りそうな自分を無理矢理押さえつける。

 このまま腕力に物を言わせ、真九郎を強姦したい衝動に駆られる。
 しかし、そんなことをしてしまえば間違いなく真九郎は自分と絶交し、
あの忌々しい柔沢や眼鏡、そして彼が本当に好きな...

「!!」

609 名無しさん@ピンキー 2016/10/26(水) 23:16:52.60 ID:gJgv6h30
「んんっ?!」

 違和感の正体に得心してしまった真九郎が目に見えて慌てだした。

「どうしたんですか?」

「えっ、いい...いいいいいや?な、ななななんでも、ななないです」

 当然だ。
 真九郎の知る夕乃といえば古風な貞操観念の持ち主であり、加えて
目の前でスケベで卑猥なことをしようものなら(それがまきこまれたかどうかは
この際置いておくとして)鉄拳制裁を加える優しくてスパルタなお姉さんなのだ。

 ましてや、生理的な問題とは言え夢精なんて無様を頭の上がらない夕乃の
目の前で知られてしまえば、間違いなく怒られると真九郎は思っているだろう。

 きっと真九郎はどうすればこの危機を乗り越えられるだろうかとめまぐるしく
頭を回転させているだろう。無論、夕乃は真九郎を逃さないが、当の本人である
真九郎はそれを知らない。

610 名無しさん@ピンキー 2016/10/26(水) 23:17:12.93 ID:gJgv6h30
 ここで真九郎を追い詰めるとかえってやり辛くなるのは分かっている。

 彼のことだ、おねしょよりも恥ずかしい夢精を家族として、また一人の
尊敬できる女性である夕乃に知られた暁には死よりも酷いことになる。

 下手をすれば一生崩月の敷居を跨げなくなってしまう可能性だって在る。

 きっとそんなことを考えているのだろう。

(ああ...真九郎さん真九郎さん...すっごくかわいいなぁ)

 自分を追い込んだ犯人はすぐそこにいるというのに、真九郎はなにもできない。

「夕乃さんっ。ごめんなさい!」

 ニコニコと笑う自分の顔の前で命懸けの目眩ましをした真九郎は脱兎の如く
自分の部屋の鍵を開け、五月雨荘の洗濯機の場所へと一目散に駆けていった。

「油断しちゃいましたね...」

611 名無しさん@ピンキー 2016/10/28(金) 01:31:41.41 ID:dOo23HN8
〜真九郎の嫁入り 前編〜

午後八時 崩月邸

 夕食後、稽古の汗を流すべく真九郎と夕乃は風呂に入っていた。
 旅館と同じ大きさの湯船に身体を寄せ合い暖め合う真九郎と夕乃。
 隙間無くその身体を抱きしめる夕乃はいつものように真九郎と睦み合う。

「あぁ〜...稽古の後のお風呂はいいですね〜」
「痛てて...お湯が染みるなぁ...」
「よしよし...痛いの痛いの飛んでいけ〜」
「う〜...」

 稽古の後に風呂に入り真九郎を全力で甘やかすのが、崩月夕乃の毎日の楽しみである。
 姉のように真九郎を慈しむ夕乃と、その背中を追いながらも過去の痛みを乗り越えて
男として成長する真九郎が夕乃に子を孕ませられる歳になると同時に、互いの身体を
求め合うようになるのは当然の流れだった。
 
「はい。今度は真九郎さんが私の痛みを取り除いて下さい」
「え〜...まだ痛いのに...」

612 名無しさん@ピンキー 2016/10/28(金) 01:32:20.34 ID:dOo23HN8
「夕乃さんの痛いの飛んでけ〜飛んでけ〜」
「ん〜。気持ちいいですよ〜真九郎さん」
「真九郎さん...聞こえますか?私の心臓の音」
「貴方に抱かれて、凄くドキドキして...イケない人ですね真九郎さんは」
「夕乃さんの方こそ、いやらしいムッツリスケベの変態の癖に...」

 大腿から臀部にかけて集中的にいやらしく撫で回す真九郎の手に身を委ねながら
夕乃はゆっくりとその股に徐々に鎌首をもたげる真九郎の一部を持って行った。
 全身を程良く抱きしめるその腕の強さに緩やかな快感を覚えた夕乃は
徐々に発情し始めた。
 真九郎も優に20cmを超えるその逸物をいきり立たせ、もどかしげに
夕乃の股にこすりつけながら懸命に腰を振りはじめた。
 
「夕乃さん...夕乃さん...。キスして、ください」
「真九郎さんは私の真九郎さんなんです...だから、いいですよ」

 とろけた目で夕乃を見つめる真九郎はとっくに出来上がっていた。
 夕乃の教育の甲斐あって、抵抗感無く自分からキスを求めるようになった
真九郎は教えられたとおりに夕乃を愉しませ始めた。
 

613 名無しさん@ピンキー 2016/10/28(金) 01:32:42.49 ID:dOo23HN8
「ふぁぁぁぁ....///ゆぅ、の...さん。気持ち、いいです」
「気持ち、いいのに...気持ち、いいのに...」

 全身を愛撫された真九郎の身体に軽いオルガスムスが伝わり始める。
 しきりに腰と逸物をピクピク動かしながら、懸命に溜まった精液を
外に放とうと真九郎は懸命になっていた。

「駄目ですよ...まだ、まだ真九郎さんは我慢できる筈です」
「そ、そんなぁ....」

 まるで女のように喘ぐ真九郎にゾクゾクとした快感を覚えた夕乃は、次の瞬間
自分達が今まで溜め込んでいた性欲の箍が外れる音を聞いた気がした。

「夕乃さん!ごめん」
「あうううううっ?」

 堪えきれずに夕乃の股を割り開いた真九郎は、生殺しにされていた
自分の逸物を前戯もナシにそのまま夕乃の熱い膣へとぶち込んだ。
 より強い快感を求めようと腰を振る前に、夕乃の絡みつく膣内の
肉襞に絡み取られた剛直はあっという間に全体を刺激され、耐える間もなく

614 名無しさん@ピンキー 2016/10/28(金) 01:33:02.56 ID:dOo23HN8
「はぁ...はぁ...」

 長い射精を終えた真九郎は体力が尽きたのか、正常位でつながっている
夕乃の中から自分の逸物を抜いた後、その大きな胸にしなだれかかった。

「し〜ん〜く〜ろ〜うさ〜ん!」
「どうして私の言うことが聞けないんですか?」
「だ、だって...夕乃さんが意地悪するから...」

 笑顔で怒る夕乃にしどろもどろになりながら言い訳する真九郎。
 夕乃としてはこのまま真九郎が精魂尽き果てるまで自分を犯すくらいの
気概を見せる所を期待するも、当の本人が稽古で精根尽きてしまって
いるのだ。これではなにも面白くない。

「はぁ...へばってしまうとは...仕方がないですね」
 
 くたくたになって椅子に座る事も出来ないほど消耗している真九郎を
抱きかかえて、そのまま風呂の床に横たえた夕乃がしたことは無造作に
真九郎の無防備なその腹に乗っかることだった。

615 名無しさん@ピンキー 2016/10/28(金) 01:33:24.08 ID:dOo23HN8
「おねーちゃん。お風呂〜?」
 カラカラと引き戸を引く音とともに散鶴が浴室に入ってきた。
「散鶴。お稽古は終わったの?」
「うん。おかーさんとおじーちゃんはお酒飲みに行ったよ」
「そう。帰るのは遅くなるの?」
「うん」 

 なら好都合だ。
 散鶴の前でやるのは気が引けるが、絶好の機会であるのには変わらない。
 むしろ共犯者として引き込むなら、散鶴はこれ以上無い頼もしい味方である。
 夕乃は、きょとんとする幼い妹の耳に何かを吹き込み始めた。
 最初はイヤイヤと首を振る散鶴だったが、夕乃が放った最後の決め言葉に
心が揺れ動いたのか、先程とは打って変わった目つきで真九郎を見つめた。

「じゃあ、始めましょうか。ちーちゃん」

 夕乃の笑顔に釣られるように、妹である散鶴も満面の笑みを浮かべる。

「うん。おにーちゃんは今日からわたしたちのおよめさんになるんだよね」

616 名無しさん@ピンキー 2016/10/28(金) 11:10:16.05 ID:dV/HmO8P
乙です。
原作でも真九郎がある程度の年齢になったら、強制的に婿入りさせられそうな気がする

617 名無しさん@ピンキー 2016/10/29(土) 01:03:00.50 ID:rDDhU3xO
>>613を書いた者です。タイトルが真九郎の嫁入りとありますが、よく考えたら
やっぱりおかしいと思ったので、真九郎の婿入りに直して呼んで下さい。

618 真九郎の婿入り 2016/10/29(土) 01:46:33.85 ID:rDDhU3xO
〜真九郎の婿入り 後編〜
 
「おねーちゃん。本当にやるの?」
「勿論やります。いいですか?ちーちゃん」
「私もちーちゃんも真九郎さんが大好きです。そうですよね?」
「うん。だいすき」
「ですが、真九郎さんの周りには泥棒猫達がいます」
「そしてこのままだと真九郎さんは崩月からいなくなっちゃいます」
「そう...真九郎さんは、永遠に崩月の家を出て行っちゃうんです」
「ふぇぇ...おにーちゃん...またどっか行っちゃうの?」
「多分、このまま行けば紫ちゃんに独り占めされちゃいますね...」
 
 真九郎を崩月の家に取り戻そう。夕乃はそう散鶴に告げた。
 小さい散鶴にも真九郎がなんとなく女の人に好かれているのは分かっていた。
 しかし、真九郎と同じ位大好きな姉が言う言葉は幼気な少女の心を
恐怖で縛り付けた。

 まだ嫉妬や愛という感情を理解するには散鶴は幼すぎた。
 しかし、自分よりも真九郎の身近にいて、自分以上に思い人の愛を
注がれている一人の少女の姿が脳裏に浮かんだ。

619 真九郎の婿入り 2016/10/29(土) 01:48:08.51 ID:rDDhU3xO
「でも、一つだけ真九郎さんを引き留める方法があるんですよ...」
「ほんと?!」
「その方法は...真九郎さんを私達のおむこさんにしてしまえばいいんです」
「おむこさんにする?できるの?」
「はい。だけどそれにはちーちゃんの助けが必要です」
「やる!やるもん!」

 健気に姉の言うことに耳を貸す散鶴はあくまでも真剣だった。
 姉が何を考えているのかは分からないものの、今まで大好きな姉が
やってきたことが間違っていた所を見ていないことが幸いし、バカ正直に
その手助けをすることを約束してしまった。
 
 そして、物語は前編の終わりへとつながる。


「じゃあ...心の準備はできた?ちーちゃん?」
「うん。おにーちゃんをほねぬきのメロメロにするんだよね?」
「よくできました。えらいですね、ちーちゃんは」
「えへへ...///」

620 真九郎の婿入り 2016/10/29(土) 01:50:08.70 ID:rDDhU3xO
「真九郎さん...私とちーちゃんだけの大好きな真九郎さん...」

 まず夕乃は未だに勃起が収まらない真九郎の逸物には目もくれず、
その下半身にまたがって、上半身の引き締まったその胸筋に倒れかかって
自分の胸を押しつけ始めた。
 形の良い夕乃の胸がたわみ、それに伴い真九郎の呼吸は荒くなる。
 夕乃の胸を使った愛撫は寸分の隙も無く、真九郎の身体全体を覆うようにして
円の軌道を描く。

「はい。お手本終わり。さ、ちーちゃん。って...あらあら」

 行儀よく床に座っている妹を真九郎の上にのせようとした夕乃は 
小刻みに身体を震わせてビクビクとしている事に気が付いた。

「お、おねーちゃん...おまたから、なんか勝手に出てきちゃった」
「大丈夫よ。それは女の子が感じている証拠。安心して?」

 未成熟な散鶴は愛液を股の間からこぼしながら真九郎にまたがった。
「んしょ...んしょ...」
 一生懸命になって姉のように真九郎を気持ちよくさせようとする散鶴だが、

621 真九郎の婿入り 2016/10/29(土) 01:51:50.67 ID:rDDhU3xO
「ちーちゃん。?んじゃだめだからね?飴を転がして舐める感じよ」

 簡単に忠告を済ませた夕乃は自分の半分ほどの大きさの真九郎の乳首を
口の中へと含み、歯と唇をつかって楽しく弄び始めた。

(おにーちゃんのおっぱい...おかーさんのより、ちっちゃい...)

 母の胸に抱かれて、母乳を飲んでいた要領で吸えば良いのだろうか?
 なんとなくやり方が分かった散鶴は、そのまま母乳の出ない男の胸に
勢いよくかぶりつき、衝動に任せて思い切り吸い始めた。

「ちゅうちゅう...ちゅぅううううううううう!!!」 

(ぷはぁ...息が続かないよぉ...)

 力任せの強引な吸引に真九郎が目を覚ましかける。

「おにーちゃんのおっぱい...おにいちゃんの...おっぱい...」

「ふふっ。真九郎さんってば大分感じ始めてきてますね?」

622 名無しさん@ピンキー 2016/10/29(土) 01:53:44.01 ID:rDDhU3xO
「ちーちゃん。どう?気持ちよかった?」
「...うん」
「もっと気持ちよくなりたい?」
「...なりたい、です」 

 淫らな笑みに加虐の色を滲ませた夕乃は、興奮して未だに真九郎の乳首に
むしゃぶりつく妹を引きはがして、計画の大詰めへと取りかかった。

「じゃあ...ちーちゃん...」
「真九郎さんにキスしてみる?」
「する...///」
  
 なんのためらいもなく、散鶴はその問いに即答した。
  
「はぁ...小さいちーちゃんがこんなにも性に積極的だというのに...」

 それに比べて未だに眠りこける真九郎のなんと罪作りなことか。

「ちーちゃん。キスはもうちょっと待ってね?」

623 真九郎の婿入り 2016/10/29(土) 01:55:48.83 ID:rDDhU3xO
崩月姉妹の献身的、かつ愛に溢れた前戯を受けた真九郎はとっくに
眠りから覚めていた。
 正真正銘の幼稚園児からうけるたどたどしい愛撫による背徳と、何度も
身体を重ね合わせてお互いの性感帯を知り尽くした夕乃のテク。
 その二つを良心で撥ねのけるには、真九郎にはあまりに酷な話であった。
 倒錯的でマゾヒスティックな心地を味わえる二人の愛撫に真九郎は
もうとっくに骨抜きにされてしまっていた。

(ど、どうする?このまま寝たふりで押し通すか?いや...でも)

 そんな子供だましは夕乃には通用しない。
 ここで起きてしまえばもう後戻りは出来ない。
 これからの日々、紫に顔向けが出来なくなってしまう。 

 数秒の逡巡の末、真九郎は意を決して目を覚ますことにした。
 心を鬼にし、あえて冷たく夕乃を見つめる真九郎。

 その冷たい視線に怯えた散鶴は、一目散に浴室から出ていってしまった。
 しかし、計画が破綻した夕乃は顔色一つ変えない。

624 真九郎の婿入り 2016/10/29(土) 01:58:28.96 ID:rDDhU3xO
 
「気持ちいいことは悪いことですか?真九郎さん」
「真九郎さんが悪いんですよ...」
「私の気持ちに気づいていながら、それを意図的に無視してばっかり」
「ずっと私は真九郎さんに振り向いて欲しかった」

 夕乃はハイライトの消えた目と抑揚のない口調で淡々と語り始めた。
 
「真九郎さん。私じゃ紫ちゃんに及びませんか?」
「私達家族じゃ、真九郎さんの家族の代わりになれませんか?」
「私はどうすれば、大好きな真九郎さんに受け入れてもらえるんですか?」

 それは、嫉妬や愛という感情に振り回される女の悲鳴だった。
 涙をこぼし、真九郎に見下げ果てた女だと見下され、軽蔑される恐怖に
耐えながらも、夕乃は必死に真九郎から目をそらさずに見据え続けていた。

「紫ちゃんに真九郎さんが惚れているのは分かります」
「でも、私は...私は紫ちゃんに負けたくない。誰にも貴方を渡したくない」
「それすらも、わかってもらえないんですか?」
 

625 真九郎の婿入り 2016/10/29(土) 02:00:45.11 ID:rDDhU3xO
「夕乃さん...」

 真九郎は人を愛することの業の深さを思い知らされた。

 紅真九郎は崩月夕乃には一生勝てない。その愛を拒むことが出来ない。
 何故なら夕乃の愛は、世界中の誰よりも真九郎を愛するが故のものだからだ。
 どのみち、ここまで追い詰められてしまえばもう逃げ道はない。

 紫はきっと自分に幻滅して、絶望するはずだ。
 自分のしたことがどれだけ紫の心を抉るのかは想像もつかない。

(紫...ごめん。ごめん...) 

 心の中で紫に真九郎は侘びた。もう後戻りは出来ない。
 引き裂かれるような心の痛みを感じながら、それでも真九郎は前に進む。

(俺は、夕乃さんを見捨てることなんか出来ない...)

 自分を受け入れてくれた家族と、自分が受け入れたかけがえのない人。
 その両方を天秤にかけて、真九郎が選んだのは夕乃だった。

626 真九郎の婿入り 2016/10/29(土) 02:02:00.12 ID:rDDhU3xO
 
 バラバラになってまとまらない思考を無理矢理まとめながら、真九郎は
弱さを見せまいと後ずさる夕乃の身体を抱きしめた。
 震えるその体を強く抱きしめて、真九郎は言葉を続ける。
 
「夕乃さん。俺は、貴女を俺だけの夕乃さんにしたい」

「貴女を他の男なんかに絶対渡したくない。ずっと俺の...」

「俺の、俺だけの夕乃さんになって欲しいんだ...」

 心に決めた相手への想いを持ち続けながら、それでも真九郎は自分を選んでくれた。
 曖昧さをかなぐり捨て、自分の心の弱さをも全て曝け出した上での
血を吐くような真九郎の愛の告白は夕乃の心を揺さぶった。

「真、九郎..さん。ようやく、私の気持ちに応えてくれたんですね...」 
「夕乃さん...今まで辛い思いさせて、本当にゴメンなさい」
 
 ずっと真九郎に望んでいたことを他ならぬ本人が自らの意思で実行すると
自分に約束してくれた。それだけで夕乃の心は幸せに満ちあふれた。 

627 真九郎の婿入り 2016/10/29(土) 02:03:08.93 ID:rDDhU3xO
 夕乃にとって真九郎がかけがえのない存在であるように、真九郎にとっても
夕乃の存在は欠けてはならない大切な存在だった。

 つまり、とうの昔に夕乃と願いは叶っていた。想いは通じていた。 

「えっと...じゃあ一週間に二、三回は崩月の家に戻るよ」
「あああ...もう、嬉しくて嬉しくて涙が止まらない...」

 涙を流しながらも、真九郎と晴れて両想いになれた夕乃の笑顔はこれまで
真九郎が見てきた夕乃の笑顔の中でも最高に素晴らしいものだった。
 
「真九郎さん...キスして?」

「今日のことが夢じゃないって証を、私に刻みつけて...」

 目をつぶり、真九郎のキスを待つ夕乃。

 真九郎は、躊躇うことなく夕乃の唇を奪った。

 
 次回 夕乃の嫁入りに続く

628 名無しさん@ピンキー 2016/10/29(土) 15:50:28.01 ID:/kPB/JbM
なんか神がいた
降臨せられた!!!!!

629 名無しさん@ピンキー 2016/10/30(日) 01:18:19.90 ID:2DmJwmv/
〜散鶴の嫁入り 前編〜

「ふうぅ…っ♪」

 真九郎は躊躇うことなく夕乃の心を奪い去った。
 夕乃を慰めるように、そっと舌で愛撫するようなキスに夕乃はのめり込み、
真九郎も心から溢れる切なさと愛おしさのあまり、ほんの小さな声をあげた。
 
「あんっ...真九郎さん...」

 互いの唇を吸い尽くすような淫らな音を立てながら、恋人達は互いの
心の結びつきを強く深めていく。
 今まで経験したことのないような己の身を焼き焦がすような独占欲に
駆られた真九郎は、絶対に離さないと自分の心に誓った夕乃を更に強く
抱きしめる。
 そのあまりの変わりように、しかしそれは夕乃にとって驚くべきことだったが
同時にようやく真九郎が自分を受け入れてくれた証なのだと気が付いた。
 喜悦の声を上げる夕乃に愛おしさを感じる真九郎は、夕乃の耳元で囁く。

「夕乃さんのこと....夕乃って読んでもいいかな?」

630 名無しさん@ピンキー 2016/10/30(日) 01:18:41.26 ID:2DmJwmv/
「ぷはぁ...真九郎、さん...激しくて、素敵」
「はぁ...はぁ。もうダメだ...理性が保たない」
 
 暴発寸前の逸物を手でしごきながら、真九郎は夕乃の口元にそれを突き出した。

「夕乃...我慢できないんだ...。気持ちよく、して欲しい」

 生唾を飲み込む夕乃は、普段の数倍大きくなった真九郎の逸物に驚いていた。
 今まで真九郎と体を重ねたことはあれど、世間で言うところのフェラチオという
陰茎への重点的な愛撫は、生理的な抵抗感もありしてこなかった。

 しかし...今の夕乃にとって真九郎の逸物へフェラチオするのは抵抗感が
在るどころか、全く逆の感情...即ち、真九郎が望むだけしてあげようという
奉仕の感情だった。

「いいですよ...///真九郎さん。私の口で気持ちよく、なってください」

 興奮のあまり乳首とクリトリスを勃起させた夕乃は、真九郎の足下に傅き
意を決して、その陰茎の先端を口に含んだ。

631 名無しさん@ピンキー 2016/10/30(日) 01:19:03.49 ID:2DmJwmv/
「夕乃、もうイク...っから、胸で、はさん...で」
「ふぁい」

 真九郎の腰の動きがガクガクとしたものに変わるやいなや、夕乃は
今まで自分がしていた事を一旦やめて、真九郎のペニスを自分の大きな胸で
挟み込んで上下にしごき始めた。

「ふふふ...真九郎さぁん..私のおっぱい、どうですか?」
「ニュルニュル...っしてて、すごい締め付けと弾力、ぁぅ...」

 声を出すのも辛そうな真九郎は、勃起したペニスをビクビクさせながらも
未だに射精するのを拒んでいた。

 真九郎の性格からして、もっと気持ちよくなりたいから我慢するというのは
一番あり得ない選択肢だった。
 だとすれば、夕乃に思いつくのは...

「まけちゃ...う。ゆうの...さんを、まもらないと、いけないのに...」
「ゆうのさんに...まけた、ら...いらない...いらなく、なる」

632 名無しさん@ピンキー 2016/10/30(日) 01:19:28.84 ID:2DmJwmv/
 数ヶ月前、自分に対して真九郎が放った言葉の真意がようやく分かった。
 家族を失った真九郎は、自分の本質や本性が弱虫で臆病だということに
ある日唐突に気が付いてしまったのだろう。
 このまま行けば、きっと必要とされなくなる日が来る。
 だったら、いっそ家族をまた失うくらいなら...

(ごめんね...いままで私、真九郎さんのこと...なにもわかってなかった)

 ようやく真九郎の心の闇の正体を理解した夕乃は、何をすべきなのかを
はっきりと理解した。
 
「ぅううううっ!!気持ち良いのがっ止まらないっ!!」

 一層激しく腰を振る真九郎のペニスから白いマグマが吹き出しそうになる。
 すかさず夕乃はそれを阻止する為、睾丸とペニスの根元を片手で握りしめ、
その熱い奔流を瞬時にせき止め、もう片方の手は、更に真九郎の快感を引き上げる為
重点的に亀頭をしごく。

「なんで!イっ、うぁあああああ!」
「イキたいんだ、早く出したいんだ!意地悪しないでよぉ...」

633 名無しさん@ピンキー 2016/10/30(日) 01:20:03.91 ID:2DmJwmv/
 頭を床につけられ、両足を夕乃に捕まれた真九郎は絶体絶命のピンチに
陥っていた。
 更に間の悪いことに、いつの間にか風呂場に戻ってきた散鶴が興味深げな
視線を真九郎のヒクヒクと動く肛門に向けている。

「さぁ、ちーちゃん...おにーちゃんのおしりを可愛がってあげなきゃね」
「うん...///ばっちいけど、頑張る」

 散鶴は少し躊躇った後、遠慮無く真九郎の緩みきった尻穴の処女を奪った。
 抜き手の形に固められた幼稚園児の四本指が、ぬぶぬぶと真九郎のアナルへと
どんどん沈んでゆく。

「ああああああああ!!!!!やーっ!うぁああーっ!」
 
 手首まで沈んだ幼稚園児のフィストファックと夕乃によるだめ押しの喉奥
フェラに真九郎は遂に屈服した。
 ラストスパートにじゅこじゅこと夕乃の手コキにしごかれた真九郎のペニスは
ようやく射精できる喜びに打ち震えながら、自分を解き放った。

「ダメダメダメ!あああああ!!バカになるぅうううう!」

634 名無しさん@ピンキー 2016/10/30(日) 01:20:52.20 ID:2DmJwmv/
 胃の中の内容物と真九郎のザーメンがカクテル状態になるまでミックスされる。
胃に収まらない分のザーメンは食道を逆流して、外に出ようと夕乃の穴という
穴に殺到しはじめた。
 両方の鼻の穴から白い液体が吹き出し、逆流した内容物が器官と食道に詰まり
命の危険に陥りながらも、夕乃は一歩も引くことなく真九郎のザーメンを
味わい続けた。 

「はぁっ、はぁっ...ゆう、のさん...もう、いいです」

 尊厳に関わる程の痴態を曝してしまった真九郎は、ようやく収まりかけた
それでもまだしごかれれば射精してしまうほどに、精液の詰まったチンポを
夕乃の口から引き抜いた。

「あああ....真九郎さんの...ざー、めん」 
 
 精液の鼻提灯を膨らませ、夕乃は全身をビクビクと震わせ床に倒れこんだ。

「ちーちゃん...ちょっとこっちにきなさい...」

 幽鬼の如くゆらりと立ち上がった真九郎は、あまりの光景に腰が抜けて

635 名無しさん@ピンキー 2016/10/30(日) 01:21:28.80 ID:2DmJwmv/
 信じられない言葉が散鶴の口から飛び出した。
 まだ、散鶴は幼稚園生で小学生でもない。
 今、この子は一体俺に何を言ったんだ?非現実的な散鶴の告白に面食らった
真九郎はおしおきの手を止め、黙って散鶴の告白に耳を傾ける事にした。 

「おねーちゃんが、おにーちゃんは紫ちゃんと結婚するって言ってた」

「えぐっ...分かるもん。おにーちゃんは紫ちゃんが大好きなんでしょ?」

「そ、それは...」

「知ってるよ。おにーちゃんが家を出た理由」

「紫ちゃんが好きになったから出て行ったんでしょ?」

 否定できないことを遠慮無くズバズバと言う散鶴に真九郎はまたしても
逃げ道を潰されてしまった。
 夕乃といい、散鶴といい、崩月の女とはここまで情が深すぎるのかと
改めて自分の考えを改めた真九郎は、寂しくて泣き出しはじめた散鶴の体を
抱きしめ、自分の今の気持ちを、夕乃に伝えた自分の気持ちを散鶴に向かって

636 名無しさん@ピンキー 2016/10/30(日) 01:22:16.27 ID:2DmJwmv/
 
「でも、夕乃さんのおかげでようやく目が覚めた」

「やっぱり、俺はここにいたいんだ。皆と一緒に家族になりたい」

「おにーちゃん...じゃあ、ちづると結婚してくれるの?」

「いいよ。ちーちゃんとは夕乃さんと結婚した後に結婚してあげる」

「やったぁ!」

「でも、まだ俺にもやらなきゃいけないことが沢山あるんだ」

「だから、また昔みたいに一緒に暮らすのには時間が掛かる」

「それでもいいかな?我慢できる?」

「うん。おにーちゃんとまた一緒に暮らせるなら我慢する!」

 しかし、散鶴は一つ失念していた。

637 名無しさん@ピンキー 2016/10/30(日) 01:22:37.31 ID:2DmJwmv/
「ちーちゃん...まず、ちーちゃんは何をしなきゃいけないのかな?」

「ご、ごめんなさい...おにーちゃん...」

「そう、おにーちゃんにごめんなさいだよね。ちなみにその理由は?」

 散鶴を自分の膝に乗せた真九郎は、説教を続けながら散鶴の恥丘に手を這わせ
まだ皮もむけていない未発達なクリトリスの近辺をくまなく愛撫している。

「おにーちゃんのおしりの穴に、お手々を入れて遊んだからです」

「自分の身体の真ん中からメリメリってお尻が裂けるんだよ?」

「痛かったなぁ...ちーちゃんはそんなことされたいと思う?」

「や、です...」

 至極当然なことを言いながら、良心のリミッターを夕乃によって粉々に
粉砕された真九郎は、良識も同時に捨てさせられてしまった。
 真九郎は散鶴にされたことと同様に、自分の人差し指を今度は散鶴の尻穴に

638 名無しさん@ピンキー 2016/10/30(日) 01:23:05.45 ID:2DmJwmv/
「ちーちゃん。ちゅーしよっか?」

「うん...///」

 そんな不満を見抜いたのか、真九郎は小さな身体を軽々と抱き上げ、
自分が一番キスしやすい高さに散鶴の唇をもってきた。

「苦しくなったら、軽く俺のこと叩くんだよ?いいね」

「はい...///」

 目を閉じた散鶴は真九郎に全てを委ねた。

「じゅるるるるるっ〜ちゅううう!ちゅぱっ!はむっ、じゅろろろっ!」

「ん〜〜〜!!んむぅ〜〜〜むーっ!むーっ!」  

 夕乃にしたディープキス以上の激しいキスを散鶴に施す真九郎。
 幼稚園児ならば五秒と保たないそのキスに、しかし散鶴はなんとか
必死になって食いついていた。それどころか貪欲に快感を貪ろうと、真九郎の

639 名無しさん@ピンキー 2016/10/30(日) 01:23:30.00 ID:2DmJwmv/
「さ、ちーちゃんの好きなように使って良いよ?」

「ごくり...」

 食い入るように真九郎のペニスを見つめる散鶴は意を決して、そのペニスの
上に自分の股間をあてがい、またがった。
 俗に言う素股の体位をとった散鶴は夕乃がまだダウンしていることを
確かめた後、ゆっくりと動き始めた。

「とんだエロビッチ幼稚園児だな...ちーちゃんは」
  
「おにーちゃん?気持ちいい?」

「ああ。すっごく気持ちいいよ。さすがちーちゃんだね」

「えへへ」

 ズリズリと前に後ろになれた感じで真九郎のペニスをしごく散鶴。
 その腰使いはともかく、真九郎の目を引いたのはそのお腹だった。

640 名無しさん@ピンキー 2016/10/30(日) 01:23:56.97 ID:2DmJwmv/
 ただ、真九郎の名誉の為に補足を加えておくと、彼の今の状態は某財閥の
真性のロリコン御曹司のような、男の風上にも置けないクズ野郎とは異なり、
夕乃の過激な攻めによって、一時的に理性が吹き飛んでしまった事による
暴走状態である。


「じゃあそんなおにーちゃんにごほーびをあげます」 

「えいっ!」

 頭を小さな胸に押しつけられた真九郎は躊躇うことなく、目の前にある
小さなサクランボを口に含み、子供がそうするようにちゅうちゅうと音を立てて
吸い込みはじめる。

「ふあぁああ...///」

 真九郎は左胸の乳首にむしゃぶりつきながら、残る右乳首を右手の三本指で
強くつまみ、残りの左腕を用い、指の先端を大陰唇の内側へと押し込む。
 三カ所の愛撫を同時にされたことにより散鶴は体を震わせるほどの快感に
襲われることになった。

641 名無しさん@ピンキー 2016/10/30(日) 01:24:21.10 ID:2DmJwmv/
「おにーちゃん...ひりひりするよぉ...///」
 
 ぷちゅっ、くちゅんっ!つぷぷ...くちゅくちゅ、ぐちゅうっ!

「あっ、ひぃん!はうう...///あっあっあっ...はううううう?」

 真九郎の人差し指と中指による散鶴のアナルへの肛淫。
 その効果はまさに抜群。
 ズボズボと尻穴をほじくられる巧みな緩急の快感に目の焦点はずれ、
その小さな尻穴は中々くわえ込んだ真九郎の指を離そうとせず、むしろ
もっと奥まで指をくわえ込もうと、きゅっきゅっと締りを強くし続ける。

「ひああっ...やあぁあ...っくぅぅ...んっ」
 
 息も絶え絶えになりながらも一生懸命に腰をふりふりする散鶴のあまりの
可愛さに真九郎はノックアウト寸前に陥っていた。
 メスイキまで秒読みという段階で真九郎は散鶴に指の挿出を繰り返しながら、
その桃のような尻にスパンキングという名の往復ビンタを加えはじめた。 

 ぱんぱんぱぱぱん!ずちゅっずちゅずちゅんずっちゅん!!!

642 名無しさん@ピンキー 2016/10/30(日) 01:24:54.28 ID:2DmJwmv/
 そして、遂にその時がやってきた

「イくイくイくイくイくイくイくイ...いぃいぃいい!!!」

 嬌声とも宣言ともつかぬ声をあげた散鶴は全身を震わせる。 

「み、見ないで...やぁあ...おもらししちゃってるぅ...」

 しょわああああ、と立ちこめるアンモニアの臭いとグスグスとベソをかく
散鶴の泣き顔。
 見開いた瞳が快楽一色に染まり、半開きになったままの口から舌が飛び出す。
 指を引き抜いた真九郎は、メスアクメを決めた小さな妹を優しく抱きしめ、
その唇に優しいキスをする。
 飛び出した舌を吸い取り、慌てて戻そうとする散鶴の動揺を感じ取り、
更に強く口内を蹂躙しはじめる。

「あぁぁっふあぁ...あぁああああ...っ。おにーちゃ...ん」

 薄れゆく意識の中、散鶴は真九郎に抱きしめられていた。

643 名無しさん@ピンキー 2016/10/30(日) 01:31:43.40 ID:2DmJwmv/
次は夕乃さんで、その次は紫と夕乃の後日談になります。お楽しみに

644 名無しさん@ピンキー 2016/10/30(日) 09:11:43.08 ID:eh9vzprT
真九郎 羨ましい( ^ω^)・・・
俺もちーちゃんみたいな妹欲しいんだけど、どうすればいいかな

645 名無しさん@ピンキー 2016/10/31(月) 01:30:37.20 ID:37N0OYug
この調子でこのスレに人が戻ってくればいいのにな...。
やっぱりあれなのかな?みんな紅に飽きちゃったのかな?

646 名無しさん@ピンキー 2016/10/31(月) 01:35:34.12 ID:37N0OYug
 伊南屋さんがいた頃が懐かしいと思うこの頃なんだけどさ、夕乃さんのssを
書いている人に作って欲しい作品があるんだ。カップリングは九鳳院竜士と
鉄腕+ゲオルギフでそれはもうクッソ濃厚なハードゲイ路線の奴を書いて欲しい。
 幼稚園児を性の対象として見做すアンタなら書けるはずだ。やってくれ

647 名無しさん@ピンキー 2016/10/31(月) 08:49:56.88 ID:HT+78mUb
まぁ、結構時間が経ってるから人が少ないのはしょうがないんじゃないかな。
でも他の作品とのクロスオーバー物とかは、いまでも更新している人がいて、
結構見ている人も多いみたい。
ロム専が多いのかもしれんね

648 名無しさん@ピンキー 2016/11/14(月) 00:52:01.46 ID:bzIdgMTY
〜夕乃の嫁入り 後編〜

 午後十時 崩月邸 夕乃の部屋


「ん...」

 真九郎が目を覚ますと、そこは崩月邸の来客用の寝室だった。
 どうやら、風呂場での乱痴気騒ぎのあと散鶴共々のぼせてしまったらしい。

「あ、真九郎さん。気が付かれたんですね」
「ええ。まだ頭がフラフラするんですけど...意識ははっきりしてます」

 時計に目をやると午後十時を五分ばかり過ぎていた。
 十月とは言え夕乃はそのメリハリのついた肢体を強調するような服装、
薄手の長襦袢しか着ていなかった。 
 真九郎はここでようやく、風呂場で起きた出来事が夢ではなく現実であると
はっきりと理解した。
 
「真九郎さん...///」

649 名無しさん@ピンキー 2016/11/14(月) 00:52:54.56 ID:bzIdgMTY
 柔らかく、まるで母の温もりを思い出させるようなその豊かな胸に
顔を埋めた真九郎は夕乃の愛撫に身を委ねながら、ゆっくりと自分の腕を
夕乃の体に巻き付ける。
 一方の夕乃も母が子を慈しむように真九郎の全身をなで続ける。
 布団の上に座りながら、二人は体を揺らしながらこの至福の一時を
いつまでも味わい続ける。

「どうして俺は、夕乃さんのことを避け続けてたんだろ...?」

「こんなにも暖かくて幸せな気持ちにしてくれるのに....」

「それは真九郎さんは恥ずかしがり屋で弱虫さんだったからですよ」

「自分の気持ちに蓋をして見栄や嘘を優先するから私を避けたんです...」

「それは...」

 その一言は、真九郎の心の中にある闇だった。

 大切な家族に最も見せてはいけない自分の恥部。

650 名無しさん@ピンキー 2016/11/14(月) 00:53:18.55 ID:bzIdgMTY
 真九郎の自分を抱きしめる力が強まったことを夕乃は感じ取った。 
 ここが崩月夕乃にとっての一世一代の大一番。
 真九郎の心の闇を理解せずして、何が真九郎にとっての一番の女か?
 
(私には、真九郎さんの闇を晴らすことは出来ないかも知れない)

(けど、隣に並び立って貴方の手を引いて一緒に歩いて生きたい)

 上手く全てを伝えられるかどうか分からない。失敗するリスクもある。
 しかし、それでも夕乃は真九郎が自分を都合の良い逃げ道にするのには
耐えられなかった。
 何故なら、真九郎の持つ心の弱さに立ち向かう強さこそが、夕乃を
初めとする彼に惹かれた人間達にとって、無視できない程の眩しい
光なのだから。
 
 だからこそ夕乃は真九郎が自分の弱さを言い訳にするのを許さなかった。 

「真九郎さん...私はうじうじ悩む真九郎さんが嫌いです」

「えっ...な、んで...?そんな、こと言うの?」

651 名無しさん@ピンキー 2016/11/14(月) 00:53:45.98 ID:bzIdgMTY
「嘘つき。やっぱり...俺なんかいなくても良かったんじゃないか...」
 
 抱きしめた真九郎が戦慄きながら体をガタガタと震わせるその変化にも
夕乃は平然と自分を崩すこと無く向き合っていた。
 
「真九郎さん。血のつながりがなくても私達は家族です」

「たとえ真九郎さんが逃げ出したとしても、何度でも見つけ出します」

「口だけならなんとでも言えるよ...」

「そうかもしれませんね。でも、真九郎さんは必ず戻ってきます」

「どうやってそれを証明するのさ...」

 夕乃に見捨てられる恐怖に怯えながらも、それでも気丈に振る舞う真九郎。
 どうせ、夕乃も都合良く自分を利用しようとする腹つもりなんだろう。
 そう高を括った真九郎の想像は、次の夕乃の一言で脆くも崩れ去った。

「だって、真九郎さんの隣には...いつも私が側にいるんですから」

652 名無しさん@ピンキー 2016/11/14(月) 00:54:10.73 ID:bzIdgMTY
「うっ....ううううううっ....」
 
 ダメだ。
 もう...この温もりを知ってしまえば、揉め事処理屋なんて到底出来ない。
 毎日命懸けで雀の涙の金を稼ぐような仕事が本気で馬鹿らしく思える。
 離れたくない。夕乃と一緒になりたい。

 かつて抱いた強さへの憧れが、愛する夕乃への想いに塗り潰されていく。
 
「お、姉ちゃん...」

「はい。夕乃は、真九郎さんのお姉さんで、将来のお嫁さんですよ?」

「本当に、もう...一人にしない?」

「大丈夫ですよ。真九郎さんはもうとっくに崩月家の一員ですから」

 真九郎が吐き出した最後の闇を夕乃は打ち消した。
 一度開け放たれた心の扉はもう二度と閉まることはない。
 

653 名無しさん@ピンキー 2016/11/14(月) 00:54:37.11 ID:bzIdgMTY
「もうっ!一年もの間、弟の癖に生意気にもプチ家出なんかして!!」

「大体おじいちゃんは散鶴と真九郎を甘やかしすぎなの!」

「一人でなんでも出来ると思ったら大間違いなのよ?真九郎」 

「ごめんなさい。本当は背伸びしたかっただけなんだ」

 今日まで誰かに心を曝け出して甘えることなく過ごしてきた真九郎にとって
今の夕乃はまさにその辛さを全て忘れて受け入れてくれる存在だった。
 夕乃や崩月の家を守る為なら、例え自分の五体が砕け散っても今まで
忌避し続けてきた戦いに意味を見いだすことが出来る。

「いい?真九郎。貴方は私と一緒に崩月を継ぐ身なのよ?」

「内弟子程度の実力でいい気になるんじゃありません!」

 そう、今の真九郎にとっての最優先事項は夕乃を守ることだった。
 強くて格好良い自分を夕乃に好きになって貰って、ゆくゆくは一人前の
崩月の戦鬼となって、誰にも壊せない幸せな家庭を築き上げるのだ。
 

654 名無しさん@ピンキー 2016/11/14(月) 00:55:00.32 ID:bzIdgMTY
「夕乃さん...俺を受け入れてくれて、ありがとう」

「我が儘ばっかりして、迷惑かけ続けてたのに...」

「ううん。そんなことはもういいのよ」

「でも、真九郎さん。崩月に戻る前にやるべき事があるでしょう?」

 夕乃の笑顔に真九郎は遂にこれからのことを考えることを放棄した。

「まず手始めに揉め事処理屋の仕事はもうやめなさい」

「うん」

「揉め事処理なんてしなくても私とおじいちゃんで貴方を強くします」

「本当に?」

「ええ。だから真九郎さんは無理しなくて良いんです」

655 名無しさん@ピンキー 2016/11/14(月) 00:55:25.23 ID:bzIdgMTY
「次に、悪宇商会の人達と村上さんとは縁を切りなさい」

「あんな関われば害しか無い人でなしと関わる必要はありません」

「確かにそうだけど...」

「斬島さんや星?さんのことを真九郎さんは誤解しています」

「忘れたんですか?」

「貴方が彼女達や悪宇商会に関わってどんな目に遭ったのか?」

 夕乃の懸命な説得に真九郎は頭を悩ませていた。

 確かに星?絶奈は正真正銘の悪党だが、切彦は..いやいや、初めて会った時

自分は彼女に腹を切り裂かれ、活け作り一歩手前の状態まで追い込まれた

じゃないか...。

656 名無しさん@ピンキー 2016/11/14(月) 00:55:52.74 ID:bzIdgMTY
「じゃあ真九郎さんは村上さんが攫われたら一々救いに行けるんですか?」

「それは...できる限り...」

「じゃあ紫ちゃんが同じ時に攫われたらどっちを優先するんですか?」

「そ、それは....」

「そんな状況になって、果たして真九郎さんは冷静でいられますか?」

「あ...ああ...」

 自分の放った一言に、真九郎が頭を抱えて蹲る。

 きっと頭の中では苦渋の決断の末、紫を救いに行く為に銀子を見捨てた

自分の浅ましさを恥じているのだろう。

「ね?だから今のうちに、村上さんとは距離を置くべきなんですよ?」

657 名無しさん@ピンキー 2016/11/14(月) 00:56:18.17 ID:bzIdgMTY
 
 いやしくも自分と張り合って真九郎を横取りしようとした泥棒猫の

息の根を止めることが出来る。そう思うと心が躍った。

 夕乃の愛の本質は、ただ一人の人間を狂おしく愛する独占欲。
 
 その為に夕乃は自分の気持ちを押し殺し、愛する人の為に尽くしてきた。

 そして、その努力が実って真九郎は自分に己の全てを打ち明け、身も心も

委ねてくれたのだ。

 もう絶対に自分と真九郎の間にある運命の赤い糸は断ち切らせはしない。

 もし、そんなことをする輩がいれば崩月の力を用いて相手を殺してやる。

 夕乃の腹はもうそこまでくくられていた。

 自分以外の他の女、一部の例外は除くとして...数年程度仲良くしただけで

658 名無しさん@ピンキー 2016/11/14(月) 00:56:39.97 ID:bzIdgMTY
 
 自分よりも先に紫が、真九郎を「強い男」に変えたという事実。

 それが夕乃にとってはこの上なく不愉快だった。

 真九郎を導いたのが紫という事実のあまりの悔しさに夕乃は涙を流す。

「真九郎さんの、大馬鹿...なによ、私のことを夢中にさせといて...」

「それで最後には紫ちゃんを選んで、私を端に追いやるのね...」

「弱い癖に毎日危ない橋を渡って...どれだけ私を心配させれば...」

 真九郎はボロボロと大粒の涙を流す夕乃の肩を優しく抱きしめる。

「夕乃さん、紫の未来に対して俺には責任があるんだ」

「何も知らない顔して紫を捨てられる段階はもうとっくに過ぎ去った」

「だから、言ったのにぃ...」

659 名無しさん@ピンキー 2016/11/14(月) 00:57:04.90 ID:bzIdgMTY
(そう...ですよね)

(紫ちゃんは本音で、私は手練手管で...ふふふ、ふふふふ...)

(私は卑しい女、だから...だから真九郎さんは、私なんかよりも)

 しかし、真九郎の出した答えは夕乃の想像の斜め上だった。

「ごめんね、夕乃さん。俺の為にいっつも苦しんで...」

 優柔不断で自分の気持ちを偽った笑みを浮かべる真九郎はもういない。
 
 そこには夕乃と同じように腹を括った真九郎がいた。

「俺は、俺の守りたい人の為にしか戦わないことにした」

 夕乃が歪んだ形で真九郎を守ろうとしたように、真九郎も歪んだ形で、

それでも必死に自分を守ってくれる夕乃のその想いに応えようとする。

660 名無しさん@ピンキー 2016/11/14(月) 00:57:35.77 ID:bzIdgMTY
 大好きな人にお前だけを愛すると言われなかった無念と、ようやく

真九郎が自分のことを守るべき大切な存在として認めてくれた嬉しさの

板挟みになりながらも、夕乃はそれでも必死に真九郎の愛を自分だけの

ものにしようと最後の悪足掻きをした。 

「イヤです!真九郎さん!お願いだから私だけを愛して下さい!!」 
 
「紫ちゃんにも、ちーちゃんにも貴方を渡したくなんかないの!」

「真九郎さんのお嫁さんになるのが夢だったんですよ?!」

「貴方は人殺しの家系の末裔の穢れた私を初めて愛してくれた人..」

「卑しくて、独占欲が強くて...一人でいるのが寂しくて...」

「そのくせ上品ぶってお姉さん気取りのウザい女で...」

661 名無しさん@ピンキー 2016/11/14(月) 00:57:58.23 ID:bzIdgMTY
「夕乃さん」

 涙を浮かべ、唇を震わせる夕乃に覆い被さった真九郎はそのまま

自分の唇を夕乃に重ねた。

 固く結んだ唇をこじ開け、緩んだ歯の間から様子を伺う夕乃の舌を

引っ張りだして、その上に自分の想いを乗せる。

「ああ...んっ、んふぅ...ふぁぁ...」

 蕩けるような心地のあえぎ声が真九郎の耳をくすぐった。

 弛緩する夕乃の体を抱きかかえた真九郎は、そのまま立ち上がる。

「や、いや...真九郎さん、わ、私の、私のこと...嫌いになんか」

「ならないよ。俺は夕乃さんになら何されても許しちゃうよ」

662 名無しさん@ピンキー 2016/11/14(月) 00:58:27.97 ID:bzIdgMTY
 先程までとは立場が逆になったことに戸惑う夕乃の動揺を見抜いた

真九郎はそのまま夕乃をモノにすべく一気にたたみかける。

「ねぇ、夕乃さん?」 

「夕乃さんは紅夕乃になってくれないの?」

「ぁぅ...///」

 麻薬のように心に浸透する魔法の言葉。

 仮に将来、真九郎と散鶴と紫の四人で一緒に住むことになったら、

きっと散鶴も紫も甘えたい盛りだから、一生懸命真九郎にアピールを

仕掛けてくるだろう。
 
 ダメだ、しっかりしないと真九郎に良いように丸め込まれてしまう。

663 名無しさん@ピンキー 2016/11/14(月) 00:58:49.32 ID:bzIdgMTY
 
 ブンブンと頭を振って一瞬だけ脳裏に浮かんだ、真九郎と紫と散鶴との

夢のハーレムライフで一番の寵愛を受ける自分とその腕に抱かれている

真九郎との間に出来た愛する我が子。

「だ、ダメですよ。ま、まだ真九郎さんも私も大人じゃないのに...」 
 
「だ、大体、真九郎さんはどう責任を取るおつもりなんですか?」

 夕乃の最後の抵抗に、真九郎は悩むことなく即答した。

「崩月夕乃さん。一度しかいいません」

「はい」

「一生に一度のお願いです。俺の子供を...産んで下さい」

「!!!」

664 名無しさん@ピンキー 2016/11/14(月) 00:59:12.72 ID:bzIdgMTY
「はい。こちらこそ末永くよろしくお願いします」

「うふふ...。今日はまるで夢みたいな事ばかり起きますね」

「本当に嘘じゃないかって、私疑ってるんですよ?」

 申し訳なさそうに頭を掻く真九郎は抱きかかえた夕乃を降ろした。

 布団の上に寝かされた夕乃は、嬉し涙を流し、真九郎の告白を快諾した。

「真九郎さん。もう一回確認しますよ?」

「はい」  

「私が正妻で、ちーちゃんと紫ちゃんは側室さんなんですよね?」

「はい」

「ちーちゃんと紫ちゃん以外の女の子には手を出さないんですよね?」

665 名無しさん@ピンキー 2016/11/14(月) 00:59:54.36 ID:bzIdgMTY
「まだ、紫がどうなるか分からないですけど...」

「でも、俺頑張りますから」

「夕乃さんと紫とちーちゃんを護れる男になります!!」

「はい。その意気ですよ、真九郎さん」

「これからは一人で悩まずに私に相談して下さいね。旦那様?」

 そうだ。もう誰にも遠慮することなく真九郎を独占できるのだ。

 まずは明日の朝、法泉と冥理に事の次第を告げて真九郎が絶対に

崩月から今後逃げ出さないようにする必要がある。

 その次は紫を説得し、最後に紅香に話をつける事になるはずだ。

(ふふっ...もう逃がしません。逃がしませんからね、真九郎さん)  
 

666 名無しさん@ピンキー 2016/11/14(月) 01:00:20.85 ID:bzIdgMTY
「ち、ちーちゃん?い、いつの間に?」

 驚く姉に向き直り、弱気な瞳に強い嫉妬を滲ませた散鶴は夕乃に

対して宣戦布告をした。

「おねーちゃん!おにーちゃんはわたしのなの!」

 そして夕乃が惚けている間に、散鶴は再び真九郎にキスをした。

「ち、ちーちゃん!?」

「あらあら、散鶴ってばまだ五歳だっていうのに...お盛んねぇ」

「おう真九郎!ようやく夕乃のこと受け入れる気になったか」

「し、師匠?!そ、それに冥理さんまで!!」

 いつの間にか帰ってきた法泉と冥理がニヤニヤと笑いながら、しかし

667 名無しさん@ピンキー 2016/11/14(月) 01:00:48.67 ID:bzIdgMTY
 上品に笑う冥理に抱きしめられた真九郎の隣では、夕乃と散鶴の仁義なき

姉妹喧嘩が勃発し、それを法泉が面白そうに見守っている。

「おねーちゃんのうそつき!さいしょからだましてたんでしょ!」

「う、嘘なんか言ってないわよ。結果的に目的は達成したじゃない」

「ううう...妹を出し抜いて一人だけ特別扱いなんてひきょうだよぉ...」

「ハハハハハ。散鶴、出遅れちまったなぁ」

「お爺ちゃんは黙って!ね、ねぇちーちゃん?泣かないで?」

「えぐっ、えぐっ。おねーちゃん...なんか、きらい...」

「紫ちゃんに言いつけてやる...っ!」

「ちーちゃん...」

668 名無しさん@ピンキー 2016/11/14(月) 01:01:09.96 ID:bzIdgMTY
「ちーちゃん、ちーちゃん。お話聞いてもらえるかな?」

「やだやだやだぁ!!おにーちゃんのお嫁さんにしてくれなきゃやだぁ!」

「そんな事言うと夕乃さんがちーちゃんのおしりぺんぺんしちゃうよ?」

「やだあああああああああああ!!!!」

「あーあ。今夕乃さんがすごーく怖い顔でちーちゃんの後ろに立ってるよ?」

「怖いだろうな〜、痛いだろうな〜夕乃さんのおしりぺんぺん」

「ふぇええええええ....」

 すっかり怯えきった散鶴は泣くのも忘れて、自分を抱き上げている

真九郎の体に抱きついて自分の身を守ろうとした。

「ちーちゃん。お話聞いてくれるよね?」  

669 名無しさん@ピンキー 2016/11/14(月) 01:01:31.10 ID:bzIdgMTY
「ぐすっ、おにーちゃんはわたしよりおねーちゃんがすきなの?」

「うん。でも、ちーちゃんも夕乃さんと同じ位大好きだよ?」

「でも、わたしは愛人で、おねーちゃんは正妻なんでしょ?」

「今のところはそうなるかな?でも、ちーちゃん」

「?」

「ちーちゃんはまだ小さいし、これから色んな人と出会う筈だよ」

「もしかしたら俺よりもいい人がちーちゃんを好きになるかも知れないし」

「ちーちゃんが他の誰かを好きになる事もあるかもしれない」

 まだ散鶴の人生は始まったばっかりだ。

 夕乃や自分はこれからの人生を大人として過ごす事になる時期にある。

670 名無しさん@ピンキー 2016/11/14(月) 01:01:55.32 ID:bzIdgMTY
「もしちーちゃんが高校生になっても俺の事を好きでいてくれたら」

「その時は、責任をとってちーちゃんをお嫁さんにするから」

「だから、その時までちーちゃんは友達を沢山つくること。いい?」

「約束だよ?おにーちゃん」

「うん。約束する」

 心の底から安らいだ表情を浮かべた散鶴と指切りを交わした真九郎は

傍らに控える冥理に散鶴を預け、正面に立つ法泉に向き直った。

「師匠、冥理さん」

「崩月の家を飛び出した不祥の弟子ですが、ようやく覚悟が決まりました」

「夕乃さんを俺に下さい。俺は夕乃さんのことを愛してます」

671 名無しさん@ピンキー 2016/11/14(月) 01:02:23.67 ID:bzIdgMTY
「おじいちゃん、お母さん。私は真九郎さんと結婚したいんです」

「崩月の家の宿命とか、裏十三家の血筋とかそういうのじゃなくて」

「私は真九郎さんを幸せにしてあげたい。この人と一緒になりたいんです」

「真九郎さんとの仲を認めて下さい。お願いします」

 将来の義理の息子とその傍らに立って歩いて生きたいと望む自分の娘。

 本人達が好き合って結ばれたいというのなら、母親としてそれを祝福しない

訳にはいかない。
 
 しかし、『崩月』としての答えはまた別である。

「真九郎、崩月の一人娘と添い遂げる上でだ」

「崩月を継ぐという事の意味をはき違えちゃいねぇよな?」

672 名無しさん@ピンキー 2016/11/14(月) 01:02:45.60 ID:bzIdgMTY
「俺は引き返しません。どんなことがあっても夕乃さんを守ります」

「ちーちゃんも、冥理さんも、師匠も。俺が絶対に守ります」

 手放したモノの価値を悼みながら、それでも真九郎は止まる事無く

前に進む事を決意した。

 人でなしに墜ちながらも、それでも真九郎は自分が出来る事を選びとる。

「夕乃さんやちーちゃんに人殺しなんか絶対させない」

「だから、師匠。俺に崩月の業を教えて下さい」

「俺が、俺の護りたい人達を護る為の技を教えて下さい!」

「その言葉に、嘘はないな?」 

「ありません」

673 名無しさん@ピンキー 2016/11/14(月) 01:03:05.22 ID:bzIdgMTY
 十数年前に産んだ娘がまさか学校を卒業する前に結婚相手を見つけ出すとは

予想外だったな、と愛する孫娘を茶化す父の姿を見て冥理は涙ぐんでいた。

 真九郎も引き取ってきた時に比べれば、随分成長したなと懐かしく思える。

 生きる意味も無く、ただ死にたくないからという理由で生きながらえていた 

あの少年が崩月の家を出た途端、途方もない大事に巻き込まれながらも、

なんとか切り抜け、己の人生に生きる意味を見いだしたというのが、冥理と

法泉にとっては本当の我が子のように嬉しく思えた。

「真九郎君。夕乃。本当におめでとう。祝福するわ」

 だから、二人が幸せになれるなら私達親は結婚を認めよう。

 それが冥理と法泉の親としての答えだった。

674 名無しさん@ピンキー 2016/11/14(月) 01:03:35.34 ID:bzIdgMTY
 背を向けて立ち去る一家の大黒柱に真九郎と夕乃は深く頭を下げた。

 そして散鶴も渋渋ながら自分が出る幕はないと悟ったのか、泣きべそを

かきながらふすまを開け、祖父の後を追うように自分の部屋へと戻った。

「真九郎君。紫ちゃんは夕乃より手強いわよ?」

「お母さん...」

「夕乃、選択を間違えないようにしなさい」

 事の顛末を全て知りながら、あえて言葉にすることなく立ち去った法泉の

懸念を冥理は真九郎と夕乃に伝え、その場を後にする。

 言わんとすることは分かっている。

 だがしかし、ここで紅真九郎は退くわけにはいかない。

675 名無しさん@ピンキー 2016/11/14(月) 01:03:59.42 ID:bzIdgMTY
「真九郎さんの気持ちは嬉しいです...でも私は鬼の娘ですから...」

「くれぐれも他の女に手を出すときは気をつけて下さいね?」

「私、相手の女が真九郎さんの子供を孕んだら殺しますからね」

「物騒なこと言わないでよ...夕乃さんの手が血で汚れるなんて嫌だよ」

「本気です!」

「真九郎さんは無意識のうちに女をその気にさせる天才なんですから!」

 口元に浮かべた苦笑いを夕乃が咎める。

 分かってるさ、自分が下した決断がどれだけ酷いかくらいは。

 でも、それでも...俺は貴女のことを愛してる。

 だから、これだけは言わせて欲しい。

676 名無しさん@ピンキー 2016/11/14(月) 01:04:22.15 ID:bzIdgMTY
「ええ。その約束、確かに守ります。それに、信じてますから」

「真九郎さんが世界で一番愛しているのはこの私だって」

「ありがとう。大好きだ、夕乃さん」
 
 本当に、本当に長い長い遠回りだった。

 迷い続けた分、明日からはまた新しい世界がきっと開けるだろう。

 でも、夕乃の心の中には、なんの苦労もなく真九郎を手に入れる

紫に対しての反感は未だに残っているわけで...

「やっぱりちーちゃんは認めても、紫ちゃんは認められません!」

「真九郎さん。負けませんからね!」

 ぷくーっ、と頬を膨らませる最愛の人を真九郎は抱きしめる。

677 名無しさん@ピンキー 2016/11/14(月) 01:04:38.94 ID:bzIdgMTY
 明日は学校だが、もうそんなのどうでもいいや。

 今は楽しめるだけ、自分に与えられた青春を満喫しよう。
 
 命短し恋せよ若人。難しいことはとりあえず後回しでいこう。

「夕乃さんは可愛いなぁ。よし!決めた」 

「これからは徹・底・的に夕乃さんを甘やかす!」

「きゃ〜〜〜〜!真九郎さん大好き!もう最高です!」

 そして、夕乃と真九郎は二日間不眠不休でお互いを貪り合った。

 余談だが、散鶴はその後二週間真九郎と夕乃と口を利かなかったそうな。

「おにーちゃんとおねーちゃんなんかはぜちゃえ...」 

 妹の口から飛び出た辛辣な一言に夕乃と真九郎は頭を悩ませることに

678 名無しさん@ピンキー 2016/11/17(木) 21:15:55.07 ID:vUQ3KXV1
更新乙です
夕乃さんやちーちゃんはどうにかなったけど、紫は説得が難しそう
どうなるか注目ですね

679 名無しさん@ピンキー 2016/11/24(木) 23:10:56.27 ID:V3Gh3kBt
〜紫の嫁入り 前編〜

4日後 学校


「真九郎さん。お昼食べましょう」

「そうだね。屋上行こうか」

 何のことはない日常の1ページ。

 それが音を立ててビリビリと破かれる瞬間に立ち会ったとき、

人は呆然と立ち尽くすしかない。

「嘘...なんで、紅君が崩月先輩と付き合ってるの?」

「え、崩月先輩あんなのが趣味なのかよ...」

「嘘、だろ...」 

680 名無しさん@ピンキー 2016/11/24(木) 23:11:19.08 ID:V3Gh3kBt
「夕乃さん。恥ずかしいよ...皆の目もあるから控えめに...」

「イヤです。自重するのはもう辞めました。聞きません」

「これからは爛れた二人だけの青春と愛の性活を過ごすんです!」

「『お姉ちゃん』お願いだから、自重しよ?ね?」

「!!」

「も、もう...仕方ないですねぇ...真九郎がそう言うなら」

 風呂敷に包んだ三重の弁当箱が持ち主の感情を素直に反映する。

嬉しげに揺れる弁当箱と幸せそうに微笑む真九郎。

 羨望と嫉妬と、あと危険な視線を一身に集めながら真九郎と夕乃は

廊下を歩き、誰もいない屋上へと上がっていった。

681 名無しさん@ピンキー 2016/11/24(木) 23:11:37.24 ID:V3Gh3kBt
屋上

 フェンスの近くにあるベンチに腰掛けた真九郎の膝の上に夕乃が乗っかる。

 決して小さくはないが、その温もりをより味わう為、真九郎は

自分の正面へと夕乃の座る向きを変える。

「我慢、出来なくなっちゃったんですか?」

「ううん。我慢する必要なんかもうないんだ」

「夕乃さん、だっこ」

 真九郎にまたがる夕乃はその頼みに即座に応じる。

 自分の左胸に真九郎の耳を押しつけ、その上から真九郎が安心して

眠れるように頭から腰までを滑らかな手つきで撫ではじめる。

682 名無しさん@ピンキー 2016/11/24(木) 23:11:57.96 ID:V3Gh3kBt
「...」

 その瞬間、夕乃の目からハイライトが消えた。

 真九郎のポケットから携帯電話を取りだし、電話をかけてきた相手を

確認する。

 案の定、その相手は村上銀子だった。 

 通話ボタンを押し、黙って自分の耳に真九郎の携帯を押し当てる

「...もしもし」

「...」 

「真九郎...ふざけてるの?」

「...」

683 名無しさん@ピンキー 2016/11/24(木) 23:12:23.85 ID:V3Gh3kBt
「夕乃さん。銀子には手を出さないでね」 

「真九郎さん...でも...」

 通話ボタンを切った真九郎は、恐ろしい威圧感を撒き散らす夕乃に

怯えることなく普通に釘を刺した。

「ちゃんとお別れは自分の口で伝えなきゃ意味が無い。そうでしょ」

「これが俺の一応最後の仕事だからさ。ちゃんとしたいんだ」 

「分かりました。真九郎さんがそう言うなら、従います」

 渋々ではなく、笑顔で真九郎を信じる夕乃に真九郎は危うさを感じた。

『浮気したら、その女を半殺しにしますからね』

『私、相手の女が真九郎さんの子供を孕んだら殺しますからね』

684 名無しさん@ピンキー 2016/11/24(木) 23:12:45.53 ID:V3Gh3kBt
「全く、真九郎さんは罪作りな人ですね」 

「夕乃さんには負けるよ。可愛くて純粋で男タラシの罪作りな夕乃さんには」

「なっ。私はそんなふしだらでもなければ男タラシでもないですっ!」

「そうかなぁ?サッカー部の主将が夕乃さん好きだって噂、有名だよ」

「私はあんな人好きでもなければ、眼中にもないですっ」

「そっかぁ。そうだよね。夕乃さんは俺だけの女なんだから...」

 夕乃の背中に爪を突き立て、今まで夕乃にも見せたことのない

独占欲を見せ始める真九郎。

 夕乃は真九郎を縛り、真九郎は夕乃を縛り付けて離さない。

 ついにここまで真九郎の心を独占するのに成功した夕乃は心の中で

685 名無しさん@ピンキー 2016/11/24(木) 23:13:15.69 ID:V3Gh3kBt
 「はい。あーん」

「あーん」

 昼間から豪勢な夕乃の手作りの料理を頬張る様を本当に嬉しそうに

眺める夕乃は、更に甲斐甲斐しく自分の箸で鮭の切り身を真九郎の口に運ぶ。

 真九郎も夕乃と付き合う前は、こうした『女の夢』というものに対して

抵抗感を抱いていたものの、いざ心を通わせ恋人として付き合い始めると

なかなかどうしてこれがとても心地良い。

 自分の食べる様を見て恋人が嬉しそうに笑ってくれる。

 それだけで胸と心の空白が瞬く間に埋められ、癒やされていく。

 本当にこの人は自分を愛してくれているんだと確信できる。

686 名無しさん@ピンキー 2016/11/24(木) 23:13:44.50 ID:V3Gh3kBt
「ふふっ...美味しいですか」

「うん。夕乃さんの料理はいつも美味しいよ」

「ふふーん。そうでしょうそうでしょう」

「なんて言ったって真九郎さんへの愛が一番籠もっていますから」

「じゃあ、今度は俺が夕乃さんのお弁当つくってあげる」

「まぁ。じゃあその時はちーちゃんと一緒にピクニックに行きましょうか」

 食べ盛りの真九郎が夕乃の手作り弁当を平らげるまで僅か15分。

 その間に夕乃も自分に作った弁当を素早く食べ終える。

「ごちそうさまでした」

「はい。おそまつさまでした」

687 名無しさん@ピンキー 2016/11/24(木) 23:14:02.64 ID:V3Gh3kBt
放課後 新聞部部室


 最後のHRの終了後、真九郎はいつものように新聞部の部室へ向かう。

 誰も部員がいない部室のたった一人の主は、いつもの場所にいた。
 
「遅い。何してたのよ」

「悪い。夕乃さんと一緒にお弁当食べてたんだ」

「はぁ...また崩月先輩?」

「また、ってなんだよ」 

「不潔」

「......」

 その主は、果たして真九郎の変化に気が付いていただろうか?

688 名無しさん@ピンキー 2016/11/24(木) 23:14:19.52 ID:V3Gh3kBt
「ん?46万円ものツケをどう一括払いする算段をつけたかって?」

「えーっと杉原さんの一件で使ったヤクザの組があるんだけどさ...」

「そこの内部でちょっとしたゴタゴタがあったんだ」

「で、そのゴタゴタをなんとかしてくれって俺に直接連絡が来たんだよ」

「アンタ...なに勝手なことを...」

「ああ、銀子が心配してるようなことはしてないよ」

「で、その揉め事を解決して50万貰ったんだ」

 今まで真九郎のやろうとすることの真意が分からなかった事はなかった。

 誰にも害されることのない強さを得る為に、紅香に弟子入りした。

 九鳳院という巨大なシステムに虐げられている紫という少女を守る為、

689 名無しさん@ピンキー 2016/11/24(木) 23:14:40.93 ID:V3Gh3kBt
(あった...)

(一つだけ、あった)

 脳裏に浮かぶ、世界の裏を牛耳るどす黒いまでに大きなあの組織。

 不幸なことに自分はそこに務める悪党どもを知ってしまっている。

「まさか、真九郎...アンタ、悪宇商会と手を...」

「組んでないって。はぁ...誤解を招いて悪かったよ」

「奥さんが浮気している現場に依頼人を連れて行く」

「それが今回引き受けた俺の仕事だよ」

「後は、奥さんや間男が逃げないように見張るのも仕事に入ってたっけ」

「尾行と証拠写真と実働と時給を全部合わせたら結構な額になったんだよ」

690 名無しさん@ピンキー 2016/11/24(木) 23:15:00.70 ID:V3Gh3kBt
「これ、今回の資料」

「うん。ありがとう」

 必死になり震えを隠そうとする銀子だったが、それは無理な話だった。

 いつもと変わらぬ風を装っている真九郎だが、その背後から漂ってくる

血腥い鮮血の匂いが、自分の知っている幼馴染がもう引き返せない所にまで

足を踏み入れていることを教えている。

 もう、自分では引き上げることが出来ない所まで真九郎は墜ちている...

「別れた元旦那のストーカー行為を止めさせて欲しい...」

「行動パターン...動機は親権と復縁による遺産の...」

「依頼内容、対象者を二度と家族に危害を加え...って何すんだよ銀子」 

691 名無しさん@ピンキー 2016/11/24(木) 23:15:27.81 ID:V3Gh3kBt
この時ばかりは、依頼者の所持する圧倒的暴力が頼もしく思えた。

 だが、銀子はあまりにも簡単な事を失念していた。

 真九郎が『崩月』だということを..

 そして、崩月はあと一人この学校にいるという事を....

 心の整理がつかない中、必死に真九郎に何が起ったのかを頭を

フル回転させた銀子が辿りついた、考え得る限りで最悪の結末。

 待って、なんて一言も言わせない無慈悲な真九郎の言葉が銀子へと

一斉に襲いかかった。

「銀子、あのさ」

「今回の仕事が終わったら、暫く揉め事処理屋は休業するよ」

692 名無しさん@ピンキー 2016/11/24(木) 23:15:45.60 ID:V3Gh3kBt
「なんでよ!!アンタあれだけ暴力が嫌いだったじゃない!!」

「揉め事処理屋を辞めるなら一緒にラーメン屋やっていこうって...」

「それなのに!どうして!!」

「どうして...私のこと、待ってくれなかったのよ...」

「銀子は、何も悪くないんだ。悪いのは全部俺だよ」 

「意味わかんないわよ!」

「大体何度も言ったようにアンタに揉め事処理屋なんて向いてないのよ!」
 
「アンタもう一杯辛い思いしたじゃない!」

「何度も危険な目に遭って、その度に死にかけて私がッ...」

「私とッ...一緒に日の当たる世界で、一緒にラーメン屋をやってこうって」

693 名無しさん@ピンキー 2016/11/24(木) 23:16:10.64 ID:V3Gh3kBt
 なぜなら、それは...

 真九郎が日の当たる世界を拒んだことに他ならないからだ。

 人の命が蝋燭の灯火のように軽く吹き消され、血と怨嗟と暴力の

屍山血河の世界こそが自分の身の置き場。

「分かった...崩月先輩に誑かされたんでしょ、ねぇ!」

「ならお気の毒様ね、アンタじゃ無理よ。器じゃないわ」

 銀子はそれでも、それはもう見ている方が目を覆いたくなるような

醜態を曝しながら、真九郎にすがりつくことをやめなかった。

 なんとかして好きな男の目を幼馴染として覚まさせてやりたい。

 いや、違う。

694 名無しさん@ピンキー 2016/11/24(木) 23:16:29.31 ID:V3Gh3kBt
「銀子の言いたいことは痛いほど分かる」

「でも、さ...」

「サラリーマンとか畑を耕す自分を俺は想像できないんだよ」

「まぁ、例外としてラーメン屋は選択肢にはいってたけどね」

「じゃあ、いまからでも...」

「それは無理だ」

 自分を覗き込む真九郎の瞳には、今までの真九郎を構成していた

要素以外の...昔からの真九郎を知っている銀子が忌避してやまない

決定的なものが映っていた。

 そう、暴力への渇望と上に昇り詰めてやるという飽くなきまでの野心だ。

695 名無しさん@ピンキー 2016/11/24(木) 23:17:06.56 ID:V3Gh3kBt
「...絶交よ。アンタなんか、もう...顔も見たくない」

 もう、真九郎の心の中に自分はいないという絶望的な事実に気が付いた

銀子は真九郎を睨み付け、絶交宣言をした。

 今の銀子の目には、真九郎がかつて自分達を攫った人身売買組織と

全く変わらない存在にしか見えなかった。

「...銀子、俺は必ず大きくなる。誰にも負けない位強くなる」

 沈鬱な表情を浮かべた真九郎の本心は、果たしてどこにあるのか。

 しかし、真九郎を失った悲しみと怒りが彼女から正常な判断力を、

そう、銀子の武器である判断力を奪ってしまっていた。

 ここで、真九郎を新聞部の部室から外に出してしまえば、もう自分は

夕乃から真九郎を取り返すことが出来ないということに気がつけないほどに。

696 名無しさん@ピンキー 2016/11/24(木) 23:17:23.80 ID:V3Gh3kBt
「帰ってよ!この人でなし!!」

「私利私欲の為にこれから多くの人を傷つけ、殺しまくるんでしょ!」

「出てって!出てけってばぁ!!」

 銀子に背を向け、感情任せにその拳に叩かれている真九郎。

 分かっている。

 自分のエゴで...紫以上に銀子を優先できるかと問われ、即座に紫を

選んでしまった時から、こうなることは予想が出来ていた。

 既に死んでしまった家族以外で、自分をよく知る幼馴染をこんな形で

傷つけ、切り捨てるようなそんな形でしか別れを告げられなかったのか?

 もっとましな別れ方はなかったのかと自問せざるを得ない。

697 名無しさん@ピンキー 2016/11/24(木) 23:17:42.25 ID:V3Gh3kBt
 高校から五月雨荘に戻るまで、携帯電話が鳴り止むことはなかった。

 着信履歴100件とメールが156通。

 我ながらよくもまあここまで酷いことを幼馴染みに出来た物だと

乾いた笑みを浮かべるしかなかった。

 メールの内容を見ると、まだ間に合うから裏社会の闇に染まる前に

とっとと縁を切りなさいからに始まり、最後はお願いだからちゃんと私の

話を聞いて、こんな形でアンタと別れるのはイヤという内容で終わっていた。

 乗り継ぎの電車が来るまでの間、夕乃は銀子から来るメールと電話の

着信音に悲痛な表情を浮かべていた。

 真九郎もこれ以上無いほどの後味の悪い別れ方を銀子とした為、

698 名無しさん@ピンキー 2016/11/24(木) 23:18:05.33 ID:V3Gh3kBt
「正直な話、心が痛いですよ」

「銀子の俺への想いが分からないわけじゃなかった」

「だけど、いつかはこうなることはわかりきっていたのに...」

「もう、良いじゃないですか。真九郎さん」

「真九郎さんには私とちーちゃんと紫ちゃんがいます」

「もっと欲を言えば貴方には私だけを見ていて欲しいんです」

「でも、村上さんにはその覚悟がなかった。腕力も無ければ覚悟もない」

「それで好きな人が別の人とくっつくのは納得いかない」

「なんて、今更喚かれても、私は真九郎さんを手放す気なんかありません」

「だって私は貴方に恋した瞬間から、貴方を生涯の伴侶と決めたんですから」 
 夕乃の発言のその根底には一歩間違えれば、自分がこうなっていたかも

699 名無しさん@ピンキー 2016/11/24(木) 23:18:25.63 ID:V3Gh3kBt
「次は〜○○〜○○行の電車が...」

 あれほど鳴り響いていた携帯電話のバイブレーションがいつの間にか

鳴り止んでいた。

 ホームに滑り込んできた電車が口を開け、乗客達を吐き出し始める。

「じゃ、また明日学校で」

「ええ。愛してます。真九郎さん」

 電車に乗った夕乃を見送りながら、真九郎は漫然と、もう村上家の

敷居をまたぐことは出来ないと思っていた。

 しかし、これで銀子はもう自分がらみで命の危険に晒されることは

なくなった。

700 名無しさん@ピンキー 2016/11/24(木) 23:18:45.51 ID:V3Gh3kBt
五月雨荘

 紅真九郎が五月雨荘の自室に戻ったのは午後六時を少し過ぎた所だった。

 おんぼろになったドアを開け、自分の部屋に入ると、そこには

小さな天使がいて、自分にほほえみかけていた。

「真九郎!遅かったな。お帰りっ!」

「ああ。ただいま紫。一週間ぶりだね。元気だった?」

「うむ。真九郎に会えなかったのは寂しかったが、それも吹き飛んだ」

「そっか。ほら、おいで。だっこしてあげる」

 左手は紫を離さないように、右手で紫を愛するように真九郎は

その小さな身体を包み込んだ。

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